喘息 – 2024年冬号
喘息は気温や気圧、湿度、ほこりやたばこ、ストレスといった様々な原因が発作を誘発する刺激となります。発作の予防と発作時の適切な対応を知ることで、喘息の症状と上手に向き合うことが大切です。
喘息の発作はなぜ起こるのか?
喘息の発作は、気道がほこりやたばこ、ストレスなどの刺激を受けて狭くなることで起こります。気道は鼻や口から吸いこんだ空気を肺まで運ぶ空気の通り道ですが、刺激を受けて気道が狭まり肺への空気の運搬が滞ることで、息が苦しくなるといった症状につながるのです。
喘息の人は、常に気道に炎症が起こっているため、喘息でない人と比べて、気道は炎症によって狭まった状態で、無症状時であっても空気が通りにくい、気道が敏感になっており、正常な気道では反応の起きないような刺激に反応して発作が起きやすいといった特徴があります。
喘息の症状
- 咳や痰
- 息苦しさ
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)
- 胸の痛みやのどに感じる違和感
など最近では喘鳴を伴わない咳だけの喘息(咳喘息)も増加しています。
冬の時期に注意すべきことは?
喘息は、気温や気圧、湿度の影響を受ける病気です。冬の乾燥や冷たい空気、気温差、感染症などは発作を引き起こす刺激となるため注意が必要です。加湿器で湿度を調節するなど、発作の原因を取り除くようにしましょう。
喘息の症状が出たら?
喘息の症状が出たときは、発作の程度を見極め、発作止めの薬を中心とした治療を行います。そのときの発作に合わせて、どのような対処を行うか(服用する薬のことや受診のタイミングについてなど)普段から医師と相談しておくと安心です。
どのような薬があるの?
発作を予防する長期管理薬、発作を止める発作治療薬があります。
発作を予防する吸入ステロイド薬を基本として、症状が起こった際には必要に応じて気管支を広げる薬を併用します。
•予防薬
気道炎症を抑える効果が最も強力な薬剤で副作用も少なく長期に安全に使うことができる薬。(吸入ステロイド薬)
•発作薬
気管支を拡張させ、即効性がある薬。(短時間作用型β2剌激薬(SABA)、ステロイド薬、テオフィソン薬、アドレナリン薬)